大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

千葉地方裁判所 平成5年(わ)950号 判決

本店所在地

千葉県船橋市丸山四丁目四五番一四号

部品工業株式会社

(右代表者代表取締役 清松楢男)

本籍

千葉県鎌ケ谷市道野辺中央三丁目九七四番地

住居

同市東道野辺三丁目六番三七号

会社役員

清松楢男

昭和九年三月三一日生

右の者らに対する法人税法違反各被告事件について、当裁判所は、検察官清原憲治出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人部品工業株式会社を罰金三〇〇〇万円に、被告人清松楢男を懲役一年六月に処する。

被告人清松楢男に対し、この裁判確定の日から三年間の刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人部品工業株式会社は、千葉県船橋市丸山四丁目四五番一四号に本店を置き、建設機械部品の製作販売等を目的とする資本金四〇〇万円の株式会社であり、被告人清松楢男は、被告人会社の代表取締役として同会社の業務全般を統括しているものであるが、被告人清松楢男は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、架空の給与手当を計上するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  平成元年二月一日から平成二年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が二億八五三五万五九〇三円であったにもかかわらず、平成二年四月二日千葉県船橋市東船橋五丁目七番七号所在の船橋税務署において、同税務署長に対し、被告人会社の所得金額が一億四五八五万八〇九二円でこれに対する法人税額が五七六六万五五〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一億一六二三万二八〇〇円と右申告税額との差額五八五六万七三〇〇円を免れ

第二  平成二年二月一日から平成三年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が一億三六五九万三五一四円であったにもかかわらず、平成三年四月一日前記船橋税務署において、同税務署長に対し、被告人会社の所得金額が二四五七万三八五一円でこれに対する法人税額が七六九万二七〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額五二三九万三九〇〇円と右申告税額との差額四四七〇万一二〇〇円を免れ

第三  平成三年二月一日から平成四年一月三一日までの事業年度における被告人会社の実際所得金額が二億九八七九万六一六三円であったにもかかわらず、平成四年三月三一日前記船橋税務署において、同税務署長に対し、被告人会社の所得金額が九五七六万三四〇四円でこれに対する法人税額が三三九五万六一〇〇円である旨虚偽の法人税確定申告書を提出し、よって、不正の行為により、被告人会社の右事業年度における正規の法人税額一億一〇〇九万三五〇〇円と右申告税額との差額七六一三万七四〇〇円を免れ

もって、不正の行為により、法人税を免れたものである。

(証拠の標目)

一  被告人清松楢男の当公判廷における供述

一  被告人清松楢男の検察官に対する各供述調書

一  被告人清松楢男の大蔵事務官に対する各答申書

一  清松富子、和田美智子、清松桂一郎、三村すみ子、清松楢満、工藤初美、川野誠一郎、井上学、内村靖、小名川俊治、奥山ツヤ子、小倉和男、金沢国雄、御領和明、近藤力、沢田健二、辻浦金年、牧野光男、丸山孝行、芳林英雄、川野照子、工藤栄子、松井一生、清水敏男、久保田喜助、御簾納利男、加藤哲次、坂口政一、久保田照国及び藤原和広の大蔵事務官に対する各答申書

一  大蔵事務官作成の仕入高調査書、給与手当調査書、各脱税額計算書、雑給調査書、修繕費調査書、受取利息調査書、雑損失調査書、損失の額に算入した道府県民税利子割調査書及び事業税認定損調査書

一  検察官作成の各捜査報告書及び合意書面

一  検察事務官作成の証拠品写し作成報告書

一  登記官作成の登記簿(謄本)

(法令の適用)

罰条 各事業年度ごとに法人税一五九条一項(被告人会社については、更に同法一六四条一項、一五九条二項)

刑種の選択 懲役刑選択(被告人清松)

併合罪加重 (刑法四五条前段)

被告人会社

刑法四八条二項

被告人清松

刑法四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)

執行猶予 刑法二五条一項(被告人清松)

(裁判官 山口均)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例